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 ドン・ファン・マトゥスそしてカルロス・カスタネダは誰か

 「自由を求めるということはわしが知る唯一の原動力だ。あそこにある無限の中 へ飛び込むための自由だ。溶解するための自由。ロウソクの炎のようになる自由。数え切れない星の明かりに対抗して生きる代わりに、それはそのままであり続ける。それは決して一本のロウソク以上のものであることを主張しはしない。」                            J.M

 ドン ファン マトゥスはメキシコのヤキ族の呪術師、とても古い呪術師の系譜を 受け継ぐ呪術師である。かれはナワールと呼ばれ、17人の呪術師集団のリーダーである。彼が集団をつれて、死に触れられることなく、この世界を立ち去り、別の次元つまり「第3の注意力」に入る前に、伝統と規則に従って新しいナワールと そのグループを見つけ訓練しなければならなかった。

 1960年、ドンファンはカルロス カスタネダを見つけた。カルロスは人類学者としてインディアンが使っていた薬用植物の情報と標本を集めていた。彼や、その出会いを取り囲んでいる前兆を「見た」ドンファンはカルロスが新しいナワールになることに気づく。カルロス カスタネダはドンファンの弟子となり、その交流はカスタネダの9冊の著作に記述されている。これらの本はたんにドンファンの世界での弟子生活ばかりではなく、ドンファン自身がカルロス カスタネダに与える呪術の訓練をも説明している。カルロス カスタネダは夢見の中でそれらの内容を見なければならなかった。これらの著作は見事にきらめき、力に溢れている。古代の秘密の知の報告であり、完全な人間性を説明している。ドンファンや彼のグループはたんに呪術師ではなく、見る者完全なる知を持つ「新しい見る者」である。かれら見る者たちは地上の別の生き物に出会い、彼らと接触し、宇宙の中を、また次元、時間その他を超越して旅する。

  ドンファンと彼のグループがこの世界を立ち去る前に、カルロスが規則に言われる適切なナワールではないことを「見た」。彼らは己のエネルギー形態のためにもっと適切な新しいグループを訓練しなければならなかった。鍵となる重要な人物がカルロスの他にもう一人いた。女のナワールである。伝統的規則では、彼女は古いグループ(ドンファン自身のグループ)と一緒に世界を離れ、新しいグループのための灯台のようになり、彼女に達する希望と目的を与えなければならなかった。そして彼女は世界を後にし、ドンファンと彼のグループもそうした。

  しかし何年もたって、女のナワールは別の世界から戻り、すべてが変化した。新しい状況、エネルギーの流れが異なったものとなった。彼女は巨大なエネルギーの固まりをもってきた。そしてカルロス カスタネダと新しい彼のグループが姿を現した。それは90年代のことだった。1992年以来カルロス カスタネダとキャロル ティッグズ(女ナワール)と、フロリンダ ドナー−グロウとタイシャエイブラーが数冊の本を書き、インタヴューを受け、多くのワークショップを導いている。彼らは「魔術の技」−「テンセグリティ」を公にし、これまでに3巻のヴィデオが公開されている。

 1996年に、カルロス カスタネダは『戦士の道−応用ヘルメス学機関誌』を公刊するようになった。これは月刊のニューズレターであり、現在の活動について発表している。3月のニューズレターのタイトルは「無限の読者...」 というものである。4月、このニューズレターは止まり、すべての登録者はカルロス カスタネダの最近の活動に関する新しい巻を受け取った。それはカルロスの新著になるべきものである。『Magical Passes:古代メキシコシャーマンの知』である。
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アルトドリームカスタネダへの投稿に対するメール
On Sat, 18 Apr 1998, you wrote in alt.dreams.castaneda:

IXT>ところで私はカスタネダの最初の四巻が好きです。そして私(ixtlan)は第8巻に引きづりこまれました。私は最近のカスタネダの運動、とくにテンセグリティやクリアグリーンの運動をほとんど知りません。思うにカスタネダは変化しています。率直に言って彼もまたビジネスグルになりつつあるのではないかと思います。


 カスタネダの「哲学」はその全く最初からただビジネスにのみ関わっていたのである。  カスタネダの真の背景を発見する唯一の方法は(今では本になっているが)一人の学部卒業生によってなされた調査報告を読むことである。今でもカスタネダに追従するカルト信者の大言壮語を盲目に鵜呑みにし、けつの上に座っている代わりに彼は外へ出てゆき、独立した調査を行ったのである。これらのカルト信者のメッセージがアルト・ドゥリームズ・カスタネダでは主流となり、魔術や神秘主義に関するとりとめのないおしゃべりや無気力で物欲しげなポスティングになっているのである。あなたは彼らが堅実な調査や事実にはなんの関心もないということを知ることになるだろう。

 このプロフェッショナルに行われたカスタネダ本の背景と発展を展開する書物 とは、  『カルロス カスタネダ、アカデミックなご都合主義とサイケデリックな60年代』 by Jay Courtney Fikes (ISBN 0-9696960-0-0, paperback, 1993). Published by:Millenia Press,207-1005 View St.,Victoria, B.C., V8V 3L7, Canada.Phone: 800-667-8398.
 というものである。

 それはやさしく読める。写真も地図も関連書物一覧もある。はじめ著者はカスタネダが自分の本を真実のフィールドワークにもとづいて書いたのだと信じようとしていた。しかし彼が発見した真実はあの「分離されたリアリティー」、事実としてカスタネダが描こうとした神秘主義とは全く異なったものであった。カリフォルニア大学はカスタネダを人類学の博士とみなそうというトリックに引っかかっていたことを知って困惑した。彼はピルトダウン マン以来最大の人類学のいたずらをしたかどで今や責任を問われている。(ピルトダウン マンとはP.T.バーナムの時代に騒々しく出てきたペテン師のことである。そこから次のような言い回しができた。『いつもいつもだまされやすい青二才と彼を導く二人の詐欺師がいる』"There's a sucker born every minute, and two con-artists to leadhim.")。

 何年か前に、カスタネダ自身雑誌タイムの記者にインタヴューで笑いながら言った、自分は「ほら吹き」(嘘つきという意味の彼独特の言葉)であると。しかしカルトがはやり出すと、彼らはこのようなわずかな不調和を無視した。彼の本(少なくとも最初のもの)はとても良い読み物だ。それは昔の『アラビアン ナイト』に出てくる風変わりな魔術の物語と同じぐらい良くできている。そして、1960年代の主流政治に対抗する社会的抗議運動のおかげで大変有名になり、彼を億万長者にした。しかしながら、彼はそれらをフィクションとして分類する勇気を持たず、その追随者はいうまでもなく、ネイティヴアメリカンの部族や宗教は、この嘘とゆがみの報いを受けることになる。

 もしあなたがファイクスの本を買いたくなければ、街や大学の図書館に注文してもらい、静かなコーナーでくつろぎながら全部読みなさい。もし、カスタネダのような人間がいかにして事実や人々を操作するかその背後関係について初めて見る機会になるとしたら、そのときにはあなたにとってひとつの開眼となるだろう。

 私はここで知らないことについて語っているわけではない。私は1960年代を学生として生きた。そのとき様々なグルたちが猛威をふるい、カスタネダの本が出現し、そして私はその本を読む多くの他者と同様、はじめは「なんてこった!」と考えた。しかしいろいろ神秘的なもの、グルたち、サイケデリックな唱和、カスタネダ支持者、あるいは盲従する追従者などと面と向かって長い間つきあったのちに、彼ら自身がトリックスターなんだとわかった。そして私はファイクスの60年代の記述が自分が見てきたものと一致することを確かめることもできる。(インドからやってきたそれらの「グル」たちに関しては、あなたは次のことに興味を持つかも知れない。彼らの空虚なしかし魅惑的な哲学、またたくさんのアメリカ人、ヨーロッパ人がとくに彼らの操作テクニックに弱いという事実について、過去インド政府は我々の政府に警告していたのだ。)

 John Farrington ( jfarr@hal-pc.org )
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カスタネダへの言及

 『呪術師と私』のなかでカルロス・カスタネダが報告している幻覚のまごうかたなき強さが、この書物が、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の人類学の哲学博士論文であったにもかかわらず、事実にもとづくものではなく一つのフィクションであることをかえって科学者たちに知らしむる主要なキッカケとなってしまったのである。

             - 『解明される意識』 ダニエル・C・デネット

カスタネダの本を読んでいくうちに、読者にはドン・ファンというインディアンの実在が疑わしくなり、他にも多くのことが疑わしくなる。しかし結局それは、まったくどうでもよいことだ。カスタネダの本が民族誌と言うよりは諸説の混沌とした記述であり、秘儀の伝授についての報告であるというよりは、実験の定式であるとしたら、なおさらいいのだ。

               『千のプラトー』 ドゥルーズ&ガタリ