| SUBJECT [ 1248 ] [ to クニ ] 3 根本的に嘘つきである |
| AUTHOR イストラン 1/29/Mon/2001 |
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>トリックスターというのは、要するに、努力でなれるものではない。私にその素質が無いので、これはよく分かるが、あれはある種の天才であって、煮ても焼いても食えないような、相当な変わり者である。 > >ここで問題なのは、そのような、ある独特の人格、あるいは雰囲気に魅了される、私たちの性向であるということになる。 営業マンは嘘を言わねばならない。あるいは夢を与えるのが営業の仕事であると言われる。 カスタネダは自分自身の夢に酔っぱらっていた。しかし素面になったとき、その代償に途方もない寂しさが残酷に彼を打ちのめさなかったのかどうか。 呪術的世界の実在というものからの充実と、創作における空虚さとに引き裂かれなかったのだろうか。 薬草による酩酊から醒めたとき「帰りたくない」と言った気持ちは心底からのものだろう。カスタネダの中にはそういう率直なものが、さながらドンファンの言う「ちぎれたビーズ玉」のように散乱している。 呪術的な世界である、とドンファンに言わせているものの中には、そうではなくて、ごく通常の体験が織り込まれている、と見る。 ただその体験の意味づけの方向は、なんとか向こう側への旅に接続して欲しいという願いを感じさせる。切なくなるのはそういう記述に出会ったときであるが、それはまたカスタネダにおける日常性の形而上学とでも呼びたくなるような代物だった。 |