| SUBJECT [ 1245 ] [ to イストラン ] 3 根本的に嘘つきである |
| AUTHOR クニ 1/28/Sat/2001 |
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「呪術師」は、いかにもイカサマっぽい。 これは、大昔からそうであったろうし、今日に残る辺境地域においても、やはりそのようであろう。 おそらく、そのようなタチの人間が、そのような呪術師になるのであろう。 ウソかホントかというが、物事の虚実を判断するのは、「常識」である。しかし、常識そのものは、常識によっては疑い得ない。「疑う」というでもなく、ある独特の、その「常識」の照らし出し方によって、常識の在り処が相対化される。 「あなたが言っていることは、ウソなのか、ホントなのか」という質問に対して、困ってしまうような人間というものがいるものである。要するに、そのような人間は、そもそも、ウソかホントか、というような価値観の尺度では生きていない。あるいは、そのような尺度の基準が、彼が大切にしている他の尺度に比べて、ずっと下位に置かれているのだろう。 彼が好む質問はおそらく、「あなたの言葉はウソなのかホントなのか」ではなく、「ホントの話をして欲しい」とか、「ウソの話をして欲しい」ということだろう。そのように願えば、彼は、私たちが求めたところの、ウソやホントの話を自在に話してくれるに違いない。 彼は、常に、(私たちが期待し、また判断するところの)「本当の話」か「嘘の話」しかしないのである。これを逆に言えば、その「本当の話」を嘘の気持ちで言うかもしれないし、「嘘の話」ほ本当の気持ちで言うかもしれない。それはそれで、そこにまた、彼は違った仕掛けをしているに違いない。 彼が気にするのは、話の虚実ではなく、それを言うところの、人間の、動作とか表情とか匂い、といった点であるのかもしれない。その人間が、どのように自分に関わろうとしているのか、その「直接性」、関係の強度のみが問題とされ、言葉は二の次である。 匂いで嘘か本当かを嗅ぎつけるというのは、あり得ない話であるようでいて、実際にそれをやれる人間がいるものである。そして、このような数少ない独特の種類の人間と話をすると、なんとも言いようのないような、話にくさ、結局、こっちは何も言えなくなり、ひたすら、その人間だけが話しまくる、という状況に置かれるものである。彼らの「言葉」は、普通にいう言葉であるよりも、もっと違ったところに置かれているようである。 トリックスターというのは、要するに、努力でなれるものではない。私にその素質が無いので、これはよく分かるが、あれはある種の天才であって、煮ても焼いても食えないような、相当な変わり者である。 ここで問題なのは、そのような、ある独特の人格、あるいは雰囲気に魅了される、私たちの性向であるということになる。 |